第2回学会奨励賞審査結果について

日本文化政策学会では、2023年1月1日より第2回の学会奨励賞のための応募受付を開始し、受理した論文および著書について審査を行いました。以下に、その結果をお知らせいたします。

○審査結果

[論文の部]
高久彩「明治4年太政官布告の『古器旧物』分類の特質 ―博覧会と神祇行政の関係性に注目して―」『文化政策研究』第15号,pp.27-49,2021年(2022年4月20日発行).

[著書の部]
該当作なし

○審査過程の概要
今回は、「論文の部」として4作、「著書の部」として1作を審査いたしました。5名の審査委員は、各候補作について、学会奨励賞審査委員会規則を踏まえた8項目につき、5段階の評価を行うとともに、300字程度の講評を提出しました。その結果は審査委員長が取りまとめを行い、それを審査委員全員で確認し、協議のうえで受賞作を決定しました。なお、8つの審査項目は下記の通りです。

A. 日本文化政策学会の目的にあった研究であるかどうか。
 a. 広い意味での文化に関わる社会事象を焦点に当てている。
 b. 実際の政策、政策のプロセス、政策上の判断を導く規範など、政策に視点を置いている。
B. 今後、研究者として発展可能性があるかどうか。
 a. 研究目的に相応しい研究方法を採り、的確に遂行している。
 b. 学術的著作として十分な体裁を整えており、論理の展開も明確である。
C. 研究内容に独創性または新規性があるかどうか。
 a. 先行研究にない新しい理論や概念、モデルの構築、もしくは新しい観点や方法論の提示に成功している。
 b. 学術的意義の高い、新規の事実・資料の発見や、研究領域の開拓を行っている。
D. 研究成果が文化政策の発展に寄与するかどうか。
 a. 先行研究を充分に踏まえたものであり、文化政策研究の潮流の中に位置づけられている。
 b. 豊富な根拠資料に基づいており、資料としての観点から見て利用価値が高い。


○受賞作についての詳細 (さらに…)

研究会&視察「文化継承とジェンダー」開催のご案内

日本文化政策学会では、会員企画提案による連続研究会&視察「文化継承とジェンダー」を開催いたします。奮ってご参加ください。


「文化継承とジェンダー」

2022年、元舞妓さんのツイートが話題になった。未成年者である舞妓さんが飲酒の強要や客との入浴を迫られ、人権よりも伝統を守ることが優先される実態が明らかとなった。歴史的あるいは文化的な背景とした、自分のルーツに対する誇りやアイデンティティの尊重は、文化政策において最大の目的である。ただし、「伝統」や「文化」の保存や継承が、時として「その人がその人らしい生き方」を意味する人権の保障と相容れない状況が生まれる。そのうちの一つが、冒頭に掲げた舞妓さんの告発に見られる、伝統文化とジェンダーの間の齟齬だ。
文化の継承とは、現代社会の人権意識とかけ離れていても、その形式が引き継がれることに意味を持つのか。あるいは現代社会の人権意識などの社会規範に沿うように、形を変えながら文化は継承されるべきなのか。変化を前提とするならば、その変化は誰によって引き起こされ、誰が受容し、担い手となるのか。他方で、社会に適合するよう形を変えた文化は、その本質的価値まで変わってしまうのか。変化を前提とした場合、文化の継承や保護の制度は、どうあるべきなのか。以上のような様々なフェーズの課題が山積しているが、これまで文化政策研究は、文化の継承や保護におけるジェンダーの問題と正面から向き合ってきたとは必ずしも言えない。
高千穂神楽では近年、女性が新たな文化の担い手となりうるのか、模索が続いている。本フォーラムでは、先ずこの事例を踏まえながら、文化の保存や継承とジェンダーの間に横たわる“溝”の今を詳らかにしてみたい。その上で、文化の保存や継承のその先にある、「その人がその人らしい生き方」と、それを支える政策のあり方を登壇者のみならず、参加者全員で議論してみたい。

① 録画配信研究会(課題提起)@YouTube
期 日  :2023年10月11日(水)~年内
発表者  :森千鶴子(フリーライター・地域コーディネーター)
討論者  :中村美亜(九州大学大学院芸術工学研究院未来共生デザイン部門教授)
土屋正臣(城西大学現代政策学部准教授)
司 会  :土屋正臣
定 員  :20名(先着順)
参加費  :学会会員は無料。非会員は500円。
申込先  :https://forms.gle/3E5mcLN6EbWRiaeCA
申込期限 :10月10日まで
※お申込みいただいた方にメールにて、ユーチューブのアドレスをお伝えいたします。

② 視察
期 日 :2023年11月3日・4日@高千穂町
視察対象:高千穂さと神楽保存会(中畑神楽における女性神楽)メンバー(師匠さんと、女性会員)への聞き取りと意見交換
現地案内:森千鶴子
定 員 :10名(先着順)
参加費 :学会会員は無料。非会員は500円。ただし、宿泊費・現地での移動費1人15,000円(集合場所までの交通費含まず・現地支払い)は自己負担となります。
申込先 :https://forms.gle/1dkktDYKhjFbquqN6
申込期限:10月6日まで
※集合場所・集合時間の詳細は、参加者に別途お伝えします。

③ オンライン研究会(まとめ)@ZOOM
期 日 :2023年12月3日(日)13時30分~15時30分
報告者 :視察参加者1~2名
討論者 :視察参加者、森千鶴子、中村美亜、土屋正臣、研究会参加者
司 会 :土屋正臣
定 員 :20名(先着順)
参加費 :学会会員は無料。非会員は500円。
申込先 :https://forms.gle/HejLHVUE5PM67Tmc6
申込期限:11月30日まで
※お申込みいただいた方に、メールにてZOOMのアドレスをお送りいたします。


問い合わせ先:土屋正臣 masaomi1アット(「@」に修正願います)josai.ac.jp

PDFダウンロード
https://www.jacpr.jp/wp-content/uploads/2023/09/09f68c376b4ba5b3e47a5e0d11099e0f.pdf

著作権規程制定に関わり、ご意見をお寄せ下さい。

日本文化政策学会
会員のみなさま

現在、本学会では学会誌のオープンアクセス化に向けた準備を始めておりますが、それにあたり、著作権規程を整備する必要性が出て参りました。詳しくは別紙(https://www.jacpr.jp/wp-content/uploads/2023/09/cdf6d4a873a0af4cc52cb2abba727991.pdf)の文章をお読み頂きたいと思いますが、今回の著作権規程については、原案として学会が著作権を保有するという形を取らせて頂いております。この著作権規程につき、みなさまのご意見をお聞かせ頂きたいと考えております。

学会が著作権を保有した場合のメリットとデメリット、およびデメリットに対する対策についてなど詳しく記載しておりますので、お読み頂いた上で、以下のリンクからご意見をお知らせ下さい。

記入フォームURL : https://forms.gle/oE9gu3TMKvtqz8pn9

なお、お寄せいただいたご意見も参考にしつつ、10月15日に予定されております理事会で議論をさせていただきますので、回答期限を10月10日とさせていただきます。
回答期間が短く恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

編集委員会委員長 
阪本 崇

若手研究者交流セミナー2023年度発表者募集

会員の皆様

日本文化政策学会では、文化政策分野の若手研究者の研鑽および交流の機会を作るため、若手研究者を対象としたセミナーを開催しています。
2023年度の発表者を募集いたしますので、公募要項をご覧いただき、締め切り等を確認の上、ご応募ください。

日本文化政策学会若手研究者交流セミナー2023年度発表者公募要項

1.趣旨:文化政策分野の若手研究者の研鑽および交流の機会を作るため、若手研究者を対象としたセミナーを開催する。各自の研究テーマを深めるために、各発表に十分な時間を配分し、当該分野の複数のスペシャリストによる助言と討議を行う。

2.内容:文化政策分野の研究課題について40 分の発表を行い、シニア・中堅研究者2名が討論者となって各20 分のコメントをする。

3.日時:2023年12月2日(土)

4.会場:大阪公立大学梅田サテライト106教室(大阪駅前第2ビル6階)
※対面開催を原則とする。しかし、コロナ感染状況によっては全面オンラインとする。

5.発表者の条件:大学院博士後期課程在籍中もしくは修了者で専任職に就いていない会員(学生会員を含む)。ただし、非会員であっても入会申込中のものは可とする。
学会HPを参照のうえ、入会申込と発表申込をそれぞれ並行して行い、発表申込にあたっては入会申込中である旨を書き添えること。

6.発表人数:3名以内

7.交通費補助:発表者に対し、3万円を上限に自宅~会場までの交通費を補助する。

8.発表申し込みについて
① 氏名、所属機関、発表タイトル、発表要旨(1000字~1200字)を記載したPDFファイルを、2023年10月1日(日)までに若手研究者交流セミナー運営委員会にメール添付で送る。
② 選考委員会で審議し、10月中旬に発表者を決定、通知する。
③ 発表者は11月19日(日)までにA4ワード 4ページ以内に発表内容をまとめ、若手研究者交流セミナー運営委員会に提出する。
④ 12月2日(土)に大阪公立大学梅田サテライト106教室にて「若手研究者交流セミナー」を実施。発表と討論を行う。

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提出・問い合わせ先
日本文化政策学会
若手研究者交流セミナー運営委員会
e-mail: seminar.jacpr[@]gmail.com
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> 2023年度若手研究者交流セミナー発表者公募要領

【お詫びと訂正】『文化政策研究』第16号掲載記事の誤りについて

学会誌『文化政策研究』第16号を5月10日に発行いたしましたが、研究大会報告(106ページ)に記載いたしました若手企画「若手研究者による前夜祭」登壇者の一部に掲載漏れがあるということが明らかになりました。
関係者のみなさまにご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げますとともに、以下に訂正させていただきます(下線部の登壇者の方を追加させていただきます)。

『文化政策研究』編集委員会


●若手企画「若手研究者による前夜祭」
会場:教育研究棟1階A101
企画代表者:
中村まい(お茶の水女子大学)
風間勇助(東京大学)
熊田知晃(明治大学)
登壇者:
池野博子(東京二期会メゾソプラノ会員)
奥野耕平(同志社大学大学院総合政策科学研究科)
小島寛大(アーツマネージャー/同志社大学大学院経済学研究科)
齋藤梨津子(シンガポール国立大学)
島袋美由紀(琉球大学琉球大学地域共創研究科)
長谷川仁美(Academy of Fine Arts Vienna)
韓河羅(東京藝術大学)
端野真佐子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク)
堀内まゆみ(北海道大学教育学院身体文化論講座)
山田直子(商社勤務/放送大学大学院修士課程修了)
吉水由美子(立教大学社会デザイン研究所)